「汗をかかせる衣服」とは?
ニットウェアといえば、まず思い浮かべるのがセーター。
丸首、Vネック、タートル、カーディガンと、どれもおしゃれの基本アイテムです。
元来は、遠い昔、北欧の島々で漁夫達が防寒着として着ていたものです。
羊毛の脂肪分を抜き取らないで作った防水性の高い毛糸を用いた手編みのゴツゴツした厚手のもので、まだセーターという呼び名はありませんでした。
1880年代のアメリカの、ボートやフットボールの運動選手は、汗をかいて減量したり、筋肉を鍛えたりするために特殊なウェアを着用していました。
毛糸で編んだ厚地の上衣でその名は「汗をかかせるもの」の意味のセーター。
すなわち、セーターとは、「発汗を目的としたトレーニング用のスポーツウェア」だったのです。
その後、1920年代に入ると、コットン製のスエットシャツが発汗着として登場し、セーターは単なる発汗着である事をやめ、お洒落着の一種となりました。
そして、セーターと言えば、現在のように、ニットの上衣を指す事になったのです。